Zombies - New World

New World

2000年代に入ってボーカルのコリン・ブランストーンとキーボードでソングライターのロッド・アージェントを中心に再結成してコンスタントに活動をしているゾンビーズ
今年はニューアルバムに加えてなんと初の来日公演までしてしまった。

で、そのコリン&ロッドのゾンビーズもいいのだが今回取り上げるのは90年にベースで最年長のクリス・ホワイトが中心となって再結成したときのアルバム。


クリス・ホワイト?


自分もゾンビーズ好きを自称しておきながら、ゾンビーズといえば独特のスモーキー(?)ハスキーボイスを持つコリン・ブランストーン、そして解散後に自分の名前を冠したバンド、アージェントを立ち上げて一定の成功を収めたロッド・アージェントの二人のバンドというイメージで、他のメンバーはオマケみたいな感じだった。

だがかの名盤Odessey & Oracleのクレジットを見てみるとなんと12曲中五曲はホワイトの作曲だったりする。
極上のポップソングFriends of Mineなんかが実はホワイトの作なのだ。

なんとなく印象としては、She Is Not ThereとかTime of Seasonみたいな、ゾンビーズのジャジーでアダルトな感じを担ってたのがアージェントで、Friends of Mineのようなポップな側面はホワイトが受け持っていたのかな、という気もする。(アージェントだってポップな曲も書いてるので一概には言えないのだが)

そこら辺が再結成アルバムを聴くと違いがよりはっきり出てるような気がする。
現行のコリン&ロッドのゾンビーズの最初のアルバムAs Far As I Can Seeの代表曲I Want To Flyなんかは思いっきりアダルトな雰囲気のバラードで、She Is Not ThereとかTime of Seasonの延長線上にある感じが強い。
 
それに比べるとホワイト主導で作られた(アージェントは一曲のみゲスト参加)このアルバムはアレンジもストリングスを入れたりしないわりとすっきりめで軽いポップソングが多い。
90年だけあってネオアコ風味だったり、シンセがバリバリなってるような時代を感じさせるアレンジもあるけれど曲はよい。

中でも、今は亡きオリジナルギタリストのポールも参加した一曲目のNew Worldは哀愁を帯びたマイナーコードから始まる曲でイントロから胸キュンしちゃいます。

コリン&ロッドのゾンビーズもいいけどちょっと曲がクドいかなとか思ってるアナタ(ってそんなアナタは大体こっちもチェックしてそうだけど)、これを機会にゾンビーズのホワイト曲を聴きなおしてみるのはいかがでしょうか?

ちなみに今AmazonさんではAs Far As I Can SeeとNew World、どちらも千円以下で買えてしまうので60年代のゾンビーズしか聴いてないという方もあわせてこの機会に再結成ゾンビーズに手を出してみてはいかがでしょうか?
Odessey & Oracleのような文句なしの名盤とはいきませんが、美メロとコリンのボーカルは健在ですよ。